キャベツの栄養素というと、ビタミンCを思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、キャベツにはビタミンC以外にも豊富なビタミンを含みます。
特筆すべきは、他の野菜に比べてキャベツに特に多く含まれるビタミンもあるんです。
今回は、キャベツの栄養とその健康効果、さらに美容に欠かせない成分についてご紹介します。
目次
胃腸のはたらきを助ける「ビタミンU(キャベジン)」
キャベツに含まれる栄養素のなかでもっとも特徴的なのは「ビタミンU」。
これは別名「キャベジン」とも呼ばれる成分で、キャベツから発見されたためこの名が付けられました。
その名前が商品名になっている胃腸薬もあるくらい、ビタミンUは胃にとって下記のような素晴らしいはたらきをしてくれます。
- 胃酸の過剰分泌を抑え、胃潰瘍や胃酸過多による胸のむかつきを改善する
- 胃壁の細胞分裂をうながして粘膜を保護・修復し健康に保つ
このような働きにより、消化性潰瘍の治療薬としても使われています。
またビタミンUは、胃腸への効果とともに、肝臓障害の改善にも効果があるとされているため、脂肪分の多い食事の際に一緒に食べることをお勧めしたい栄養素です。
ビタミンUはキャベツ以外の野菜では、パセリやレタスなどにも含まれています。
骨粗しょう症の予防に効果的な「ビタミンK」
「ビタミンK」もキャベツに多く含まれる栄養素です。
出血した時に血液を凝固させて止血する成分を活性化してくれます。
また、骨にあるたんぱく質を活性化し、カルシウムが沈着するのを助けるため、骨の形成にはとても重要な働きをしてくれます。
このため、ビタミンKは骨粗しょう症の予防にも大変効果的です。
ビタミンKは体内でも作られるため、よほど野菜嫌いでないかぎり欠乏症の心配はないようですが、骨粗しょう症が心配な更年期以降の女性は意識して食べるといいでしょう。
抗酸化作用が高くコラーゲンを作る「ビタミンC」
キャベツには、野菜のなかでも特に多くの「ビタミンC」が含まれています。
ビタミンCは抗酸化作用がとても強く、有害な活性酸素で細胞が傷つくのを守る働きがあるため、動脈硬化や心疾患の予防効果が期待できます。
さらに免疫力を高める作用があるため、風邪などの感染症やストレスに対する抵抗力を強めてくれます。
またビタミンCにはコラーゲンの生成を促進する働きがあるため、丈夫な骨や血管を作るためには欠かせません。
美容面では、皮膚でメラニン色素が作られるのを抑制し、日焼け・シミを防ぐ効果があり、美白のビタミンとしてもよく用いられます。
ビタミンCは体内では合成できない成分なので、飲食物から取り入れる必要があります。
しかしなんとキャベツを2~3枚食べれば、一日に必要なビタミンCを摂取することができるんです!
この量は、レモン1/2個分にも相当するビタミンCというからすごいですよね。
「カルシウム」が効率的に摂れて骨を丈夫にしてくれる
キャベツには、骨にとって大事な栄養素「カルシウム」も含まれます。
さらに、カルシウムの吸収を助ける「マグネシウム」もキャベツには多く含まれています。
また、同じように骨にとって重要な栄養素「ビタミンC」と「ビタミンK」もとても多く含んでいます。
つまりキャベツは、骨を丈夫にするために必要な栄養素を総合的に摂取することができる、とても効率的な野菜なんです♪
「ボロン(ホウ素)」が女性の悩みを軽減してくれる
キャベツには「ボロン(ホウ素)」成分が含まれています。
このボロン(ホウ素)には、女性ホルモンの一つである「エストロゲン」の分泌を促してくれる働きがあるんです。
エストロゲンの分泌を促してくれることで、月経前症候群(PMS)や更年期症状などの、女性にとって憂鬱な症状の軽減が期待できます。
消化を助けてくれる「ジアスターゼ」
食べたものを消化する酵素として有名な「ジアスターゼ」。
大根に多く含まれるイメージが強いですが、実はキャベツのほうが多く含まれているんです。
ジアスターゼはでんぷんを分解してくれる酵素なので、お米を主食とする日本人にとって大切な消化酵素。
つまり、ジアスターゼとビタミンUを多く含むキャベツは、胃の働きを助けてくれる最強タッグの野菜なんです!
ただジアスターゼは生でないと効力を失ってしまいますので、消化促進効果を期待するなら、火を通さずサラダや浅漬けなどで食べるのがおすすめです。
キャベツの主な栄養成分
前述した栄養成分以外にも、キャベツには多くのビタミン・ミネラルをはじめとする栄養素が含まれます。
主な栄養素について表にまとめました。
栄養素 | 100g当たりの含有量 | |
---|---|---|
エネルギー | 23kcal | |
水分 | 92.7g | |
たんぱく質 | 1.3g | |
脂質 | 0.2g | |
炭水化物 | 5.2g | |
無機質(ミネラル) | ナトリウム | 5mg |
カリウム | 200mg | |
カルシウム | 43mg | |
マグネシウム | 14mg | |
リン | 27mg | |
鉄 | 0.3mg | |
亜鉛 | 0.2mg | |
銅 | 0.02mg | |
リン | 27mg | |
ビタミン | β-カロテン(当量) | 50μg |
E(トコフェロール) | 0.1mg | |
K | 78μg | |
B1 | 0.04 | |
B2 | 0.03 | |
ナイアシン | 0.2mg | |
B6 | 0.11 | |
葉酸 | 78μg | |
パントテン酸 | 0.22 | |
ビオチン | 1.6μg | |
C | 41mg | |
食物繊維総量 | 1.8g |
※文部科学省「日本食品標準成分表」より引用
まとめ
キャベツに含まれる栄養素と、その健康効果についてご紹介しました。
特に胃腸をいたわる効果は目を見張るものがあります。
食卓にキャベツを上手に取り入れて、胃もたれのない美味しい毎日を過ごしましょうね♪